2010 Fiscal Year Annual Research Report
エンドセリンA型受容体分解誘導分子Jab1の心血管系疾患における病態的意義の解明
Project/Area Number |
21790237
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西本 新 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90396325)
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Keywords | エンドセリン受容体 / Jab1 / 蛋白質分解 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
これまでの研究より、ET_ARとET_BRの分解速度の違いは、Jab1結合量、ユビキチン化レベルの違いによって決定されると考えられた(Nishimoto A. et al., Biochem Biophys Res Commun.,391,p1616-22,2010)。そこで、我々は、より詳細にETR分解制御機構を解明するため、分解速度が速いET_BRに焦点を当て、エンドサイトーシスや蛋白質分解が起こりにくくなる変異体を用いて、それらの細胞内動態を調べるとともにJab1との関わり合いを検討した。ET_BR C-tailのパルミトイレーション部位以降に存在する5個のリジンをアルギニンに変異させた変異体(ET_BR C-tail 5K/R)、エンドサイトーシスやリソソームでの蛋白質分解に関わるY-X-X-Φ(Y;チロシン,X;任意のアミノ酸,Φ;疎水性アミノ酸)モチーフ内のチロシンをアラニンに変異させた変異体(ET_BR C-tail Y/A)を作製し、それらのユビキチン化レベルや蛋白質分解速度を調べたところ、ET_BR C-tail 5K/Rでは野生型ET_BRと比較してユビキチン化が著しく阻害されたが,ET_BRC-tail Y/Aでは、野生型ET_BRと同等レベルであった。また、ET_BR C-tail 5K/R, ET_BR C-tail Y/Aの両方とも野生型ET_BRに比べて蛋白質分解速度が遅くなった。さらに、これらの変異体にJab1を過剰発現させると、どちらの変異体にもJab1は結合し、蛋白質分解速度の亢進が認められた。このことから、Jab1による蛋白質分解の促進は、ユビキチン化やY-X-X-Φによる蛋白質分解に非依存性であると考えられた。今後、これらの変異体を用いてエンドサイトーシスの変化を調べるとともにJab1との関わり合いを検討していく予定である。
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