2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790245
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
遠藤 智史 Gifu Pharmaceutical University, 薬学部, 助手 (60433207)
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Keywords | AKR1B10 / イソプレノイド / 癌 / 構造活性相関 / アルドーケト還元酵素 |
Research Abstract |
(1) ラットおよびヒトでのプレニルアルデヒド代謝酵素の同定 ラットの組織、リコンビナント酵素及び細胞を用いて、以下の3つの代謝経路における主酵素を検討した。その結果、「(1) Farnesol (FOH)とgeranylgeraniol (GGOH)からアルデヒド体への脱水素」にアルコール脱水素酵素(ADH)が関与し、肝ではADH1、胃ではADH7の関与が示唆された。また、「(2) アルデヒド体からFOHとGGOHへの還元」と「(3) アルデヒド体からカルボン酸体への酸化」にアルドーケト還元酵素(AKR) 1C15とミクロソーム局在型アルデヒド脱水素酵素3A2がそれぞれ関与することが示唆された。さらにヒトにおいては、アルデヒド体の還元代謝に、20α-HSD、17β-HSD5型、AKR1B10が関与することが示唆された。 (2) ステロイドとプレノイドの代謝相互作用の解析 AKR1B10はその他のAKRと異なり、ステロイドホルモン、胆汁酸とそれらの代謝物によって、強力に阻害された。この阻害様式はアルコール基質に対して拮抗阻害を示し、本酵素過剰発現細胞における「アルデヒド体からFOHへの還元」への阻害効果は、既知の最も強力な阻害剤であるtolrestatと同程度であった。 (3) 20α-HSD及びAKR1B10の阻害剤の探索 これまでに見出した20α-HSDの阻害剤3.5-dichlorosalicylic acidの結合複合体の結晶構造を元に、さらに強力かつ選択的な阻害剤3-bromo-5-phenylsalicylic acidを見出した。また、抗腫瘍活性を示す化合物の中からbisdemethoxycurcumin、magnolol、honokiol、resveratrolを、バーチャルスクリーニングからchromene-3-carboxamide誘導体を、AKR1B10の強力な拮抗阻害剤として見出した。
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