2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790245
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
遠藤 智史 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (60433207)
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Keywords | AKR1B10 / イソプレノイド / 癌 / 構造活性相関 / アルドーケト還元酵素 |
Research Abstract |
(1)プレノイド代謝酵素阻害剤の誘導体の創製 前年度までの研究成果にて得られたプレノイド代謝酵素の阻害剤をリード化合物とし、誘導体の創製を行った。 AKR1B10の強力な阻害剤であるクロメン環化合物の誘導体の中で、KO48は阻害強度に加えて、構造類似酵素との選択性も上昇した。本化合物は現時点で最も強力な阻害剤であり、合成した97種の構造活性相関からタンパクとの結合に重要な官能基が同定された。また、抗腫瘍作用が報告されているプロポリス成分の中から、AKR1B10の強力かつ選択的な阻害剤としてカフェ酸フェネチルエステル、17β-HSD5型の選択的阻害剤としてバッカリンを見出し、約800倍の選択性を併せ持ち、IC50が6.2nMの強力な誘導体の創製に成功した。 (2)培養細胞を用いたプレノイド代謝酵素阻害剤の評価 血管内皮細胞へのAKR1B10の一過性過剰発現細胞及び前立腺癌細胞への17β-HSD5型の一過性過剰発現細胞を作製し、細胞増殖試験を行ったところ、両細胞の細胞増殖はベクターのみを導入したコントロール細胞よりも亢進しており、前項目にて見出した両酵素の阻害剤添加によってその増殖亢進は有意に抑制された。また、大腸癌細胞におけるAKR1B10発現上昇はMAPキナーゼ系を亢進させることや、FOH及びFAL添加によってリン酸化MEKが増加したことから、癌細胞における細胞増殖へのプレニル代謝酵素の関与が示された。 (3)遺伝子発現調節物質の探索 AKR1BIOの発現誘導物質として、抗酸化剤として知られるtert-butylquinone及びその代謝体6-tert-butyl-2,3-epoxy-4-benzoquinoneを見出した。その機序の詳細は明らかではないが、プレニル代謝酵素の発現調節に関与することが知られる酸化ストレス応答性シグナルを介さない可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)