2010 Fiscal Year Annual Research Report
リン脂質代謝酵素による炎症性サイトカインのプロセシングと分泌の制御
Project/Area Number |
21790262
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 純子 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30333371)
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Keywords | 脂質 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本研究では、機能未知の生体膜構成成分であるホスファチジルイノシトール3,4-二リン酸[PI(3,4)P2]の脱リン酸化/分解酵素がもつ、生理的・病態生理的な役割を明らかにする。具体的には、PI(3,4)P2分解酵素と、申請者が独自に見出しているPI(3,4)P2分解酵素の結合分子との相互作用解析を通して、これまで全く知られていなかった"イノシトールリン脂質代謝によるNALP3インフラマソームの制御"を解明することを目的としている。 PI(3,4)P2分解酵素欠損マウスの骨髄由来マクロファージを用いて、尿酸結晶塩やATP刺激によるIL-1βの産生を測定した。その結果、ATP刺激によりIL-1βの産生はコントロールよりも上昇したが、尿酸結晶塩刺激に対しては差が認められなかった。また、PI(3,4)P2分解酵素の結合分子は、その他のイノシトールリン脂質代謝酵素とも相互作用を示し、PI(3,4)P2分解酵素特異的に結合するわけではなかった。従って、PI(3,4)P2分解酵素はNALP3インフラマソームを制御しているのではなく、ATPによるIL-1βの産生を制御しているものと考えられる。
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