2011 Fiscal Year Annual Research Report
TRBファミリーの機能解析による肝疾患の統合的理解
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21790263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西條 栄子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 技術専門職員 (60376647)
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Keywords | Tribbles / 肝臓 / 発生 |
Research Abstract |
Tribblesは、ショウジョウバエにおいて、転写因子C/EBPオルソログのSlboのタンパク分解を促進する因子として単離された。哺乳類では、TribblesオルソログとしてTRB1、TRB2、TRB3が同定されているが、TRB1とTRB2が機能的にも構造的にも類似している。 我々は、以前に、C/EBPが重要な役割を果たす脂肪細胞分化において、TRB2の発現が脂肪細胞分化に伴い減少すること、TRB2の恒常的な発現は、C/EBPβのタンパク分解を介して脂肪細胞分化を抑制することを明らかにし、TRBファミリーによるC/EBP分解機構が哺乳類でも保存されていることを示した。また、マウス造血幹細胞にTRB1もしくはTRB2を過剰発現することにより、C/EBPαのタンパク分解を引き起こすこと、急性骨髄性白血病の患者では、TRB1およびTRB2の発現が亢進していることが報告されている。 肝臓は生体の恒常性を担う臓器であり、エネルギーの貯蔵、代謝、解毒作用など多種多様な機能を備えている。多くの肝機能は出生前後に発現し、そのために多くの転写因子が関与する。我々は、C/EBPαが出生後に必須の糖新生系やアンモニア代謝系酵素の発現を制御する重要な転写因子であることを報告している。今回我々は、肝発生におけるTRBファミリーの役割について検討した。TRB2は胎生肝において強く発現し、成体肝では発現が著しく減少していた。TRB1, TRB3は恒常的に肝臓で発現していた。次に、欠損マウスにおける代謝関連遺伝子の発現を検討した結果、TRB1欠損マウスでは、出生前後の肝臓での糖新生関連遺伝子の発現低下が見られた。また、生後14週では肝臓の障害を示すAST, ALTの上昇、および肝機能を示すアルブミンの低下、さらに肝臓への油滴の蓄積が観察された。一方、TRB2欠損マウスにはそうした異常は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)