2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規リゾリン脂質アシル転移酵素の生化学的、生物学的解析
Project/Area Number |
21790264
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
進藤 英雄 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10401027)
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Keywords | リゾリン脂質アシル転移酵素 / 血小板活性化因子 / 生体膜リン脂質 |
Research Abstract |
血小板活性化因子(PAF)はリン脂質であり、強力な生理活性脂質である。その生合成酵素はリゾPAFアセチル転移酵素であり、私達は現在まで、その酵素として恒常型のリゾホスファチジルコリンアシル転移酵素(LPCAT)1と誘導型のLPCTA2を報告した。マクロファージ系細胞株RAW264.7細胞にLPCAT1とLPCAT2を過剰発現させて、リポポリサッカライド(LPS)で30分間刺激するとLPCAT2のみが活性化され、LPCATIは変動しなかった。これまで、その活性化メカニズムは不明であった。今回、このRAW264.7細胞をLPSで刺激し、タンパク質画分を回収した。その試料をphos-tag SDS PAGEにより解析した。phos-tag SDS PAGEはリン酸化タンパク質の泳動度を変化させてSDS-PAGE上バンドをシフトさせるものである。その結果、LPCAT2にバンドシフトが認められ、LPCAT2がリン酸化されていることがわかった。LC-MSやアミノ酸点変異解析によりその部位がSer34であると判明した。また、リン酸化に至る経路を調べるため、TAK1阻害剤、p38MAPキナーゼ阻害剤、MK2阻害剤やMK2-siRNAなどで細胞を処理し、LPCTA2のリン酸化を調べた。LPCAT2はLPS刺激後MK2を介してリン酸化され活性を上昇させることも分かった。活性化型LPCAT2が明らかになり、PAF産生メカニズムがより詳細に解明された。
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Research Products
(9 results)