2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790267
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松井 毅 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 特任講師 (10452442)
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Keywords | 上皮細胞 / dermokine / 早期癌 / 分泌蛋白質 / ノックアウトマウス / アイソフォーム / 皮膚 / 重層扁平上皮組織 |
Research Abstract |
悪性腫瘍の9割は上皮組織に由来する。すなわち上皮細胞形成・維持機構の研究は、癌化の分子機構解析にも結びつくものである。本研究では、癌化の初期における上皮多層化現象が、重層上皮組織(皮膚表皮等)の形成分子機構と類似している点に着目し、両現象に共通に発現する事が明らかになりつつある「機能未知分泌蛋白質Dermokine」の重層上皮組織と癌細胞における生理機能の解明を行う。それら両側面から得られた知見を統合する事により、癌に対する新規診断薬、新規創薬標的の同定へと結びつける。 本年度は、食道癌・胃癌・大腸癌・膵臓癌の細胞株・組織におけるDermokineの各アイソフォーム(α/β/γ/δ/ε)のmRNA発現状況や抗体染色を用いた局在解析によるDemrokineアイソフォームの発現パターン解析を行った。細胞株を用いた解析によりこれら癌腫においては、少なくとも、Dermokine-β、γが発現している事が明らかとなった。また大腸癌細胞株の培養上清中に実際にこれらisoformの蛋白質が分泌されている事をカラムクロマトグラフィーによるDermokineの濃縮法を開発することにより明らかにした。更に、臨床癌組織を用いた解析により、大腸癌・胃癌・膵臓癌のいずれも早期癌において、Dermokine-β/γが発現している事を明らかにした。 既に作成していたDermokine-α/βのノックアウトマウスを個体化し、繁殖し、APCmin/+マウスとの交配を開始した。またAPCmin/+マウスの大腸に対しての定量的RT-PCR解析を行い、マウスの正常大腸部位に比べてDermokine-βが発現亢進している事を確認した。
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Research Products
(1 results)