2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790268
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
赤木 紀之 金沢大学, 医学系, 助教 (70532183)
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Keywords | ES細胞 / 自己複製 / ETV4 / がん遺伝子 / ETV5 |
Research Abstract |
本研究ではがん遺伝子ETV4とETV5に着目し、がん遺伝子を介したES細胞における自己複製機構の解明を目指した。Estファミリーに属する転写因子ETV4/5は、胃がん、肺がん、肝がん、大腸がん、卵巣がん、乳がん、子宮がん細胞などで過剰発現していることが知られている。本研究では、ETV4/5が未分化なES細胞で発現し、LIF除去による分化に伴い発現が減少することを確認した。特に転写因子Oct3/4による直接の制御機構は、本研究によって初めて見出された。ETV4/5ダブルノックアウト(dKO)ES細胞を解析ところ、細胞の形態的特徴から、野生型(WT)ES細胞はコンパクトなコロニーを形成するのに対し、dKO ES細胞は、コロニーを形成せず扁平な形態をとりながら自己複製が維持されていた。また、培地からLIFを除去し分化誘導した場合には、WT ES細胞は繊維芽細胞様の形態を示す一方、dKO ES細胞は上皮細胞様の形態を示した。この細胞における遺伝子発現を確認したところ、分化に伴いWT ES細胞は三胚葉のマーカー遺伝子群が発現するのに対し、dKO ES細胞では、分化マーカーの発現が抑えられていた。さらに、両者の細胞増殖能をWST1アッセイで比較したところ、WT ES細胞はdKO ES細胞に比べて、有意に増殖能が低下していることを見出した。以上のことから、ETV4/5は未分化なES細胞の増殖を促進し、ES細胞の多分化能維持に貢献していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)