2009 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症におけるタンパク質凝集機構の解明
Project/Area Number |
21790275
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 紋子 Osaka University, 産業科学研究所, 特任助教 (60444519)
|
Keywords | 酵素 / 蛋白質 / 脳神経疾患 / SOD / 筋萎縮性側索硬化症 |
Research Abstract |
ポリグルタミン病やアルツハイマー病、パーキンソン病で認められる異常タンパク質のミスフォールディングや凝集体形成は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)においても見られることより、それぞれの疾患に特有な発症機構に加え、神経変性疾患に共通した発症機構も存在するのではないかと考えられる。transglutaminaseはタンパク質中のグルタミン残基とリジン残基をカルシウム依存的に架橋する酵素である。神経変性疾患の原因タンパク質といわれるhuntingtin, tau, amiloyd βA4, α-synucleinなどはtransglutaminaseの基質となることが確認されている。家族性ALS(FALS)の変異型Cu, Zn-superoxide dismutase(SOD1)がtransglutaminaseの基質となることを、精製酵素を用いて確認した。さらに、数種類のFALS変異型SOD1やtransglutaminaseを培養細胞に強制発現させ、凝集体の形成を検討した。またtransglutaminaseの阻害剤が凝集体形成を阻害するかどうかも検討した。凝集体の検出方法としては、Blue native PAGE(BN-PAGE)を用い、より生理的な状態でのSOD1の解析ができるようになった。またゲル内酵素活性測定法をBN-PAGEの改良法であるClear native PAGE(CN-PAGE)を用いて開発し、凝集体を形成したSOD1の酵素活性の有無も確認できるようになった。
|