2010 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症におけるタンパク質凝集機構の解明
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21790275
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 紋子 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教(常勤) (60444519)
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Keywords | 筋萎縮性硬化症 / SOD / 凝集体 / オリゴマー |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患では、異常タンパク質のミスフォールディングや凝集体形成がみられ、病因と密接に関与していると考えられている。凝集体構成タンパク質の中には分子シャペロンやユビキチン-プロテアソーム系のタンパク質も検出されており、コンフォメーションの変化に対して分子シャペロンが作用するが、最終的にはプロテアソームによる分解処理が完了せずに凝集体が蓄積するのではないかと考えられている。封入体は細胞内のミスフォールドしたタンパク質を無毒化する為に細胞が防御反応として形成していると考えられ、不溶性凝集体の前駆体である可溶性オリゴマーの方が強い毒性を持つことも報告されている。 凝集体検出法として簡便な電気泳動法は頻用されているが、可溶性オリゴマーSOD1を検出するためには、水素結合や疎水結合を保持した方法でなければならず、SDS-PAGEは適さない。従来のNative PAGEの泳動度は、等電点や荷電による影響を受けるため、オリゴマーSOD1の分子量による分離には適さない。これらの問題点を克服したBlue Native PAGE は、charge-shift moleculeとしてCoomassie G250色素を用いるためnitroblue tetrazolium染色によるin gel SOD activity assayに適さない。そこで色素を用いない改良型であるhigh resolution clear native PAGEを用いて家族性ALS変異型SOD1の凝集体形成を検討した結果、モノマー、ダイマー、オリゴマーSOD1や、アポ型、ホロ型SOD1を識別することができた。さらにin gel activity assayへ応用し、SOD1はオリゴマーを形成してもSOD活性を保持しているという新たな知見を得た。
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Research Products
(2 results)