2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790281
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濱田 浩一 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 助教 (00343070)
|
Keywords | 細胞死 / 胎生致死 / 遺伝子改変マウス / プロテアーゼ |
Research Abstract |
申請者は、サイクリックパッケージングレスキュー法を用いて、TNF誘導細胞死に耐性となる新規分子の単離を試みたところ、ロンボイドファミリー遺伝子の1つRhbdl3ロンボイドを同定した。ロンボイドは、細胞膜内プロテアーゼであり、進化的には原核細胞から保存されている。また構造的にはポリペプチド鎖が細胞膜を6回もしくは7回貫通する特徴を有し、膜の脂質二重層内で基質蛋白質を切断するプロテアーゼであると考えられているが、ロンボイドファミリー分子の機能はまだ研究が始まったばかりでRhbdl3ロンボイドはエストロゲン受容体陽性の乳癌組織で強く発現することがこれまでに報告されているが機能解析研究に関しては他に報告されていない。そこで、Rhbdl3の過剰発現細胞およびRhbdl3の欠損マウスを作製し、(1)TNFシグナルにおけるRhbdl3の位置づけ、(2)Rhbdl3による細胞死抵抗性はTNF刺激に特異性(3)Rhbdl3の基質の同定(4)Rhbdl3欠損マウスにみられる表現型等を解析することによりRhbdl3の生理機能を明らかにすることを目的としている。これまでに申請者はRhbdl3ホモ欠損マウスが胎生早期に致死となること、さらにRhbdl3はTNFのみならず低酸素刺激による細胞死も抑制すること、Rhbdl3による細胞死抑制は活性酸素の産生抑制を伴うこと、また低酸素刺激によってRhbdl3は転写レベルで著しく亢進することを見出している。現在胎生致死の詳細な原因について検討を行っている。さらに、低酸素シグナルや活性酸素産生シグナルにおけるRhbdl3作用点やRhbdl3依存性の解明について検討を加えていく予定である。
|