2009 Fiscal Year Annual Research Report
殺菌に重要な食細胞NADPHオキシダーゼを構成する膜蛋白質間の相互作用機構の解明
Project/Area Number |
21790283
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮野 佳 Kyushu University, 医学研究院, 学術研究員 (60444783)
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Keywords | NADPHオキシダーゼ / 活性酸素 / Nox2 / gp91^<phox> / 膜タンパク質 / Rac / p67^<phox> |
Research Abstract |
食細胞NADPHオキシダーゼ(gp91 ^<phox>)は、細胞刺激時に活性化され生成する活性酸素が殺菌剤として機能することで、生体防御上重要な役割を果たしている。本研究では、まずgp91^<phox>の安定化に必要なp22^<phox>との結合に関わる膜貫通セグメントの特定を目標とした。培養細胞を用いた再構成系で、作成した様々なgp91^<phox>慶異体のタンパク質レベルでの発現量やスーパーオキシド生成活性、さらにp22^<phox>との結合能を調べた。その結果、これまでまったく不明であったgp91^<phox>とp22^<phox>の結合部位に関する新たな知見を得ることができた。さらに、gp91^<phox>のアミノ酸置換によって引き起こされたタンパク質レベルでの発現低下による慢性肉芽腫症(幼少期より重篤な感染症を繰り返す遺伝疾患)のうち、いくつかの症例はp22^<phox>との結合が失われることが原因であることを見出した。gp91^<phox>は、細胞質に存在する特異的タンパク質および低分子量Gタンパク質Racにより活性化される。以前、Racのinsertregion(IR)のgp91^<Phox>の活性化への関与が指摘されたが、その必要性は依然として不明なままであった。今回作成したIRを欠く様々な変異体は、いずれも野生型と同等にgp91^<phox>を活性化することができた。この結果から、IRがgp91^<phox>の活性化には必要ないことが分かった。また、種々の解析によりgp91^<phox>の活性化因子であるp67^<phox>が「伸びた」構造を取っていること、Nox2への親和性を上昇させるN末端側のSH3ドメインが機能するためにはその位置が重要であることを示した。引き続き、Nox2とp22^<phox>の相互作用に焦点をあてつつ、その他のNoxファミリーの機能や活性化因子による酵素活性の制御機構についても明らかにしていきたい。
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[Presentation]2009
Author(s)
湯澤聡, 他
Organizer
第32回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
20091209-20091212
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