2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790287
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
梅田 一彰 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 助教 (80444876)
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Keywords | 中心体 / ガンマ・チュブリン |
Research Abstract |
中心体は一対の中心小体とそれらを取り巻く中心小体周辺物質(pericentriolar materials, PCM)から構成されている。PCMは、各細胞周期に応じて、肥大化したり縮小化したりする。この現象は、中心体局在分子が、中心体と細胞質の間をサイクリングしているからである。しかし、このサイクリングに関する分子機構には、不明な点が多い。私共の研究室では、この調節機構に関与しているのではないかと考えられるタンパク質FCHO2を見出した。そこで、FCHO2が、どのように中心体タンパク質の、特にガンマ・チュブリンのサイクリング機構に関与しているかを解析することを目的としている。 まず、ガンマ・チュブリンとDendra2の融合タンパク質を発現させた細胞株を樹立した。Dendra2は、ある特定波長のレーザー光を照射すると、緑から赤に変わる蛍光タンパク質である。中心体に限局してレーザー光を当て、赤色に変化したガンマ・チュブリンーDendra2が、緑色に戻る時間を、タイムラプス顕微鏡を用い測定した。この時間は、中心体と細胞質間に存在するガンマ・チュブリンが入れ替わる時間を反映している。その結果、FCHO2をRNAi法によりノックダウンした細胞では、赤から緑に戻る時間が、コントロールと比較して、延長していた。これは、FCHO2がガンマ・チュブリンのサイクリングに関与していることを示唆している。今後は、このFCHO2によるガンマ・チュブリンの中心体・細胞質間のサイクリング制御が直接的か、あるいは何らかの分子を介した間接的なものなのかを、調べる予定である。
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