2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790287
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
梅田 一彰 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 講師 (80444876)
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Keywords | 中心体 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
私共は、新しいリン脂質結合タンパク質SGIP1αを発見し、SGIP1αがクラスリン依存性のエンドサイトーシスを制御していることを明らかにしている。そのSGIP1αの解析過程で、SGIP1・と相同性が高い分子FCHO2タンパク質の機能解析を同時に行ってきた。FCHO2の細胞内局在を解析したところ、中心体およびクラスリン被覆ピットに局在することが明らかになった。そこで、FCHO2の中心体における役割を調べたところ、中心体に局在するタンパク質の細胞質と中心体間のリサイクリングに関与していることが示唆された。一方、クラスリン被覆ピットに局在する意義を解析したところ、興味深い結果が得られた。HeLa細胞に、FCHO2に緑色の蛍光タンパク質EGFPを付加した融合タンパク質、およびクラスリン軽鎖タンパク質に赤色の蛍光タンパク質DsRed-Monomerを付加した融合タンパク質を共発現させ、全反射顕微鏡を用い、タイムラプス観察を行った。その結果、FCHO2はクラスリンよりも早く、クラスリン被覆ピットが形成される場に集積し、その後クラスリンが集積することが明らかとなった。FCHO2は、そのN末端にF-BARドメインと呼ばれるリン脂質結合ドメインを有する。一般に、BARドメインを有するタンパク質は、細胞膜リン脂質に結合し、細胞膜を屈曲、陥入させる活性を持つことから、エンドサイトーシスにおいても、FCHO2はエンドサイトーシス過程の細胞膜の陥入に重要な役割を担っていることが示唆された。
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