2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790297
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
須藤 和寛 独立行政法人理化学研究所, 細胞材料開発室, 協力研究員 (10392002)
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Keywords | ヒト臍帯血CD34陽性細胞 / ヒト臍帯由来細胞 / ヒト羊膜由来細胞 / 長期共培養 / サイトカイン産生 |
Research Abstract |
ヒト臍帯および羊膜に由来する間葉系細胞とヒト隣帯血由来CD34陽性細胞を5週間接触共培養を行い、1週毎に浮遊細胞中に含まれる血液細胞の種類および割合をFACSを用いて解析すると同時に培養上清を回収してサイトカイン濃度を測定した。その結果、どちらの細胞との共培養においても、全ての浮遊血液細胞はCD13およびCD33陽性であり、CD34陽性細胞の数および割合は培養期間に伴って減少し、5週目にはほぼ全て消失していた。また、CD14陽性細胞は培養開始当初はほとんど検出されなかったが、次第に増加していくことが明らかとなった。ヒト膀帯由来細胞との共培養において、培養期間の延長に伴って浮遊血液細胞は大きく分けて4つの分画(CD33陽性CD14陽性、CD33弱陽性CD14弱陽性、CD33陽性CD14陰性、CD33弱陽性CD14陰性)が出現してくるが、ヒト羊膜由来細胞との共培養においては、CD33弱陽性CD14弱陽性細胞がほとんど出現してこないことが明らかとなった。これらの細胞分画をそれぞれFACSを用いて回収し、サイトスピン標本を作製したところ、CD33陽性CD14陰性細胞は赤芽球を含む骨髄芽球、CD33弱陽性CD14陰性細胞は骨髄球、CD33陽性CD14陽性細胞は好中球、CD33弱陽性CD14弱陽性細胞はさらに分化の進んだ好中球が大部分を占めていた。培養上清中のサイトカインの濃度を測定した結果、どちらの細胞との共培養においてもIL-6,IL-8、IL-10,IL-12,MCP-1,MIP-1 beta、VEGF、SCGF-betaが高濃度で検出されたが、G-CSFおよびGRO alphaはヒト臍帯由来細胞との共培養においてのみ高濃度で検出された。ヒト臍帯および羊膜由来細胞との共培養によって出現してくる浮遊血液細胞の差は培地中に存在するサイトカインの差によるものであると考えられた。
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