2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790298
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
沼野 利佳 The Institute of Physical and Chemical Research, 細胞機能探索技術開発チーム, 客員研究員 (30462716)
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Keywords | 概日リズム / 視交叉上核 / Tgマウス / Period1遺伝子 / 細胞分裂 / イメージング |
Research Abstract |
平成21年度の計画である、細胞周期のS-G2-M期のタイミングを橙色蛍光で観察できるTgマウスと、概日リズムの進行を可視化できるper1 : lucやper1 : GFPTgマウスとかけあわせたdouble TgのSCNスライス培養を観察した。これより、生まれる直前の胎児マウスのSCNの神経細胞の分裂はさかんに進行中であるが、時計遺伝子Period1の発現振動はほとんど見られない。これに対し、生後1週間の乳児では、細胞分裂はほぼ停止しており、Per1の発現振動が出てくるようである。生まれる直前から生後1週間、10日後までの間に、環境変化などの外界の刺激で、胎児や乳児の概日リズムの確立する時期や位相変化の機能が、どのような影響を受けるかを調べる研究に移ってゆく準備が整った。 本研究の目的は、哺乳類概日リズムの中枢であるSCNにおいて、約24時間の自律的な周期リズムの発振が発生段階のいつ確立するかを、SCNスライス培養のimagingで、神経細胞の分裂する様子を同時にみながら、明らかにすることである。概日リズムは、生体のホメオスタシスの維持や、生理活動の効率化に重要である。この研究により、生後1週間、10日後までの外部刺激が、乳児・胎児の概日リズムに、どのような異変をきたすかわかることは、その時期の不安定な概日リズムを正常に維持し、個体を健全な状態に保つための多くの知見を示すという大きな意義を持つ。
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