2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790298
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
沼野 利佳 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 特任准教授 (30462716)
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Keywords | 概日リズム / 視交叉上核 / Tgマウス / Period1遺伝子 / 細胞分裂 / イメージング |
Research Abstract |
本研究の目的は、哺乳類概日リズムの中枢であるSCNにおいて、約24時間の自律的な概日リズムの発振が発生段階のいつ確立するかを、SCNスライス培養のimagingで、神経細胞の分裂する様子を同時にみながら、明らかにすることである。平成22年度の計画である、細胞周期を橙色と緑蛍光で観察できるFucciTgマウスと、概日リズムの進行を可視化できるperl:lucマウスとかけあわせたマウスは、ヘテロ同士の掛け合わせなので、double Tgを得るのは困難であった。そこで、それぞれのTgマウスの同じ発生段階のSCNスライス培養を観察した。これより、生まれる直前の胎児マウスのSCNの神経細胞の分裂はさかんに進行中であるが、時計遺伝子Period1の発現は振動ほとんど見られずリズムは確立していない。生後1週間、10日後までの間に、発現振動の振幅が徐々に高まり、リズムが確立する。 胎児の時の母への影響が、この発現振動の振幅の確立に影響するかを、母マウスの飼育環境を変えて子マウスのリズムを比較するという実験を行なっている。この研究により、胎児の時の母マウスへの影響が、その後、概日リズム確立に、どのような異変をきたすかわかることは、早い発生段階で概日リズムを正常に維持し、個体を健全な状態に保つための多くの知見を示すという大きな意義を持つ。また、概日リズムと細胞分裂周期の相関性についても考察する。
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