2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規p53標的遺伝子を介したp53経路と癌遺伝子経路のクロストーク
Project/Area Number |
21790299
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
大木 理恵子 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, 細胞増殖因子研究部, 研究員 (70356252)
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Keywords | 癌 / がん抑制遺伝子 / p53 / Akt |
Research Abstract |
がん遺伝子Aktは多くのがんにおいて異常に活性化しており、Akt活性化はがん化を強く促進する要因の一つである。Aktは正常細胞ではがん抑制遺伝子p53によって、活性化が抑制されている。ところが、がんのほとんどのものではがん抑制遺伝子p53の機能不全が認められており、がん細胞ではAktが抑制されなくなっている。 我々は、これまで機能未知であったPHLD3遺伝子が、p53によって誘導される遺伝子である事を見いだし、PHLDA3がp53によるAkt抑制を担う重要な遺伝子である事を初めて明らかにした。 平成21年度には以下の事をさらに明らかにした。 1. PHLDA3を介したp53とAktのクロストークが肺がんのみならず、膵がんでも重要な働きをしている可能性が示唆された。 2. p53の遺伝子多型が癌遺伝子Mdm2やRasの経路と関連し、遺伝子多型によって癌抑制能が異なる事が明らかになった。
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