2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790304
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山下 年晴 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (50400677)
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Keywords | がん / がん転移 / 低酸素応答 |
Research Abstract |
HIF-2alphaが血管内皮細胞において接着因子の発現に関与していることに着目し,転移巣形成の初期段階に大きく関与しているのではないかと推測し,転移巣形成能の解析を行った. 転移臓器の血管内皮細胞における接着因子であるVCAM-1の発現を調べたところ,肺,肝臓,脾臓においてHIF-2alphaノックダウンマウスにおいて発現の低下を認めた.そこで血行性転移モデルとして経尾静脈にLLC細胞を投与したマウスの肝臓への転移を解析した結果,初期の転移巣の数がWTマウス(5.0±1.0個/field)に比べHIF-2alphaノックダウンマウス(2.8±0.76)では約40%に抑制されることが明らかとなった. また血管内皮細胞におけるHIF-2alphaが関与していることを証明するために,血管内皮細胞のみHIF2alpha発現量を戻したマウスをもちいて検証したところ,転移コロニー数が5.0±1.0と野生型とほぼ同程度まで回復した.このことから血管内反細胞のHIF-2alphaが転移初期に影響を与えていることが証明された. しかし肺転移では差が見られない事から,異なる腫瘍細胞による検証,およびより本来の転移形成に近い原発腫瘍からの転移を実現するモデルを作成中である.またHIF-2alphaだけでなく抑制性に働くと推測されているHIF-3alphaの遺伝子破壊マウスにおいても同様の解析を実施する予定である.またHIF-2alpha/HIF-3alphaの転移初期に関与する因子について分子生物学的な解析を進める.今回の解析から血管構造に重要なVEカドヘリンの発現にも影響があることが新たに分かりこれとあわせて総合的に解析を進める.
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Identification of human placenta derived mesenchymal stem cells involved in re-endothelialization.2011
Author(s)
Tu TC, Kimura K, Nagano M, Yamashita T, Ohneda K, Sugimori H, Sato F, Sakakibara Y, Hamada H, Yoshikawa H, Son HN, Ohneda O
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Journal Title
J Cell Physiol.
Volume: Jan 226(1)
Pages: 224-235
Peer Reviewed
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