2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期関連因子を中心とした神経芽腫発がん機構の解析
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21790317
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村上 優子 (渡並 優子) 名古屋大学, 医学系研究科, COE特任助教 (70405174)
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Keywords | 神経芽腫 / 発がん / 細胞周期 / DNA損傷 / 老化 / 合成致死 |
Research Abstract |
H22年度までに、MYCN増幅と合成致死及びsyntheticに老化を誘導する遺伝子としてSmc2とSgo1を同定し、その機構として、Smc2ではDNA損傷誘導後のアポトーシスによるものであること、Sgo1ではDNA損傷後の細胞老化の誘導を引き起こすためであることを明らかとした。 H23年度では、Smc2をノックダウンするとMYCN増幅タイプの神経芽腫細胞株でのみDNA損傷を誘導する分子機構についてさらに検討した。WCN増幅タイプの神経芽腫細胞株のみでSmc2をノックダウンするとDNA損傷を誘導する機構として1)WCNとSmc2が協同してDNA修復遺伝子の転写を制御している、2)Smc2がDNA損傷部位にDNA修復遺伝子をリクルートする働きがある、の二つがまず考えられる。そこで、1)の可能性を検討したところ、多くのDNA修復遺伝子の転写量がSmc2のノックダウンで低下することがわかった。 また、Smc2は染色体凝縮に必要であると知られているコンデンシンのサブユニットであり、ヒトにはコンデンシンIとコンデンシンIIが存在している。そこで、公開されているヒト神経芽腫患者の遺伝子の発現プロファイル及び予後を再検討したところ、WCN増幅タイプの神経芽腫患者ではコンデンシンIの発現が有為に高く、また、予後に関してはSmc2と同様にコンデンシンIのサブユニットの方が高発現で予後が悪いという傾向がみられた。さらに、Smc4をノックダウンするとDNA修復遺伝子の転写量はSmc2と同様に低下するという予備的な結果も得ている。 これらのことから、Smc2単独でなくコンデンシンI複合体がMYCNと協同してDNA修復遺伝子の転写に関わっている可能性が示唆された。
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[Journal Article] Opposing role of condensing hinge against replication protein A in mitosis and interphase through promoting DNA annealing2011
Author(s)
Akai Y, Kurokawa Y, Nakazawa N, Tonami-Murakami Y, Suzuki Y, Yoshimura SH, Iwasaki H, Shiroiwa Y, Nakamura T, Shibata E, Yanagida M
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Journal Title
Open Biology
Volume: 1
Pages: 110023
Peer Reviewed
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