2009 Fiscal Year Annual Research Report
筋形成・維持におけるフクチン依存ジストログリカン糖鎖の役割と筋ジストロフィー病態
Project/Area Number |
21790318
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
金川 基 Kobe University, 医学研究科, 助教 (00448044)
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Keywords | 福山型筋ジストロフィー / フクチン / ジストログリカン / 糖鎖異常 / 筋形成・維持 |
Research Abstract |
福山型筋ジストロフィー(FCMD)は、フクチンを責任遺伝子とする重篤な小児期筋ジストロフィーである。フクチンの変異によって、筋細胞膜タンパク質のジストログリカンに糖鎖異常が生じることから、ジストログリカン糖鎖が病態に関与することは示唆されているが、糖鎖異常によって引き起こされる細胞・分子病態は、ほとんど明らかにされていない。また、ジストログリカン糖鎖の筋形成・維持における生理的役割も不明である。 本計画では、これらの問題を解決する新たなモデルとして、筋選択的フクチン欠損マウスを創出する。フクチン欠損マウスの表現型や細胞・分子病態を解析することで、筋形成におけるフクチン依存ジストログリカン糖鎖の生理的意義を明らかにし、発症・病態に関わる分子を同定する。更に、モデルマウスを用いて、フクチン遺伝子治療の有効性も検討する。独創的なモデル系や独特な手法を用いることで、筋形成における糖タンパク質の意義といった基礎学術的な知見の獲得のみならず、新たな視点からの、FCMD発症機序の解明も期待される。 今年度は、筋芽細胞からフクチンを欠損するマウス(cKOマウス)を創出し、その表現型の解析を行った。cKOマウスでは、フクチンタンパクの低下、ジストログリカンの糖鎖異常が観察され、また、離乳前から進行性の筋ジストロフィーが発症した。今後は、このモデルマウスを用いて、FCMDの発症機序の解明や遺伝子治療などを検討していく予定である。
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Research Products
(5 results)