2010 Fiscal Year Annual Research Report
異なる受容体のエンドサイトーシス経路を介するWntシグナルの制御機構
Project/Area Number |
21790320
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 英樹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20372691)
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Keywords | Wntシグナル / Wnt5a / Wnt11 / Frizzled / エンドサイトーシス / クラスリン / Rac |
Research Abstract |
私共はWnt3a刺激によりLRP6受容体がカベオリン依存性に細胞質へ移行し、Wnt3aによるβ-カテニンの蓄積にはLRP6の細胞質への移行が必要であることを明らかにしている。しかし、Wntが受容体に結合した後、多様な細胞内シグナル伝達を活性化する機序については明らかにされていない。そこで、本研究においてWnt3aとは生理活性が異なり、β-カテニン非依存性経路を活性化するWnt5aによる受容体エンドサイトーシスとWnt シグナルの活性制御の関連について解析した。その結果、Wnt5aはFrizzled2受容体のクラスリン依存性のエンドサイトーシスを誘導した。さらに、Wnt5a刺激によりRacが活性化されるが、その活性化には共役受容体のRor2やアレスチンとクラスリン依存性のエンドサイトーシス経路が必要であった。したがって、Wnt5aはFz2のクラスリン依存性エンドサイトーシスを介してRacを活性化することが示唆された。以上の知見はエンドサイトーシスによるWntシグナル経路の活性制御機構の一端を明らかにしたものである。また、β-カテニン非依存性経路を活性化するWntとしてWnt5aの他にもWnt11が存在するが、その生理機能は不明である。そこで、Wnt11の生化学的性状や細胞応答を明らかにするために、アフィニティカラムやゲルろ過カラムを組み合わせた数段階のクロマトグラフィーにより調製した分画を抗Wnt11抗体による検出とDv1のリン酸化、Racの活性化を指標に活性画分を検出し、Wnt11をほぼ同一蛋白質にまで精製する実験系を確立した。
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Research Products
(5 results)