2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790321
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
矢野 雅司 The University of Tokushima, 疾患酵素学研究センター, 技術員 (10531858)
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Keywords | 自己寛容 / 胸腺 / AIRE |
Research Abstract |
AIRE遺伝子の発現制御下に蛍光分子マーカーGFPを発現するAIRE/GFPノックインマウス(AIRE/GFP-KI)を作製し、AIRE/GFP-KI(+/gfp)およびAIRE/GFP-KI(gfp/gfp)のGFP陽性細胞を免疫組織染色によって同定したところ、AIRE/GFP-KI(gfp/gfp)のGFP発現細胞は形態変化と分布異常を認めた。ことから、AIREが胸腺上皮細胞の分化やその細胞構築化に対しても重要なはたらきを持つことが明らかになった。この点をより明確する目的でAIRE発現細胞の系譜を解析できるfate-mappingの実験系の構築を進めたところ、意外にもAIREが初期胚にも発現していることを見出した。すなわち、AIREは発生初期と胸腺髄質上皮細胞という二相性発現を示すことが明らかになった。初期胚におけるAIRE発現の意義、およびその発現制御機構を解析する目的で、AIRE/GFP-KI(+/gfp)およびAIRE/GFP-KI(gfp/gfp)の両者からES細胞を樹立した。いずれのES細胞でもGFPの発現を認め、AIREがES細胞においても発現していることが明確になった。興味深いことに、AIRE/GFP-KI(+/gfp)およびAIRE/GFP-KI(gfp/gfp)由来のES細胞にはGFP発現集団とGFP陰性集団とが混在し、AIREの発現が確率論的(stocbastic)もしくは振動性(oscillation)をもつことが示唆された。今後はこれらのES細胞を用いて、ES細胞におけるAIRE発現機構のエピジェネティックスに取り組む予定である。
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Research Products
(1 results)