2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変ウサギを用いたアポリポ蛋白CIIIの機能解析
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21790322
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西島 和俊 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助教 (70435874)
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Keywords | 動脈硬化 / 遺伝子組換え / 病態モデル / ウサギ |
Research Abstract |
前年度に引き続き、調整したヒトアポリポ蛋白CIIIの発現コンストラクトの日本白色種ウサギ授精卵へのマイクロインジェクション実験を行った。65匹のドナーウサギから2125個(平均32.7個/匹)の卵を採取し、その内911個の雄性前核内にDNA液をマイクロインジェクションした。31匹の仮親ウサギの卵管内に787個(平均25.4個/匹)の胚を移植した。2週間後にウサギ腹部の触診により妊娠を確認したのは6匹(受胎率19.4%)であったが、その後出産に至ったのは4匹であった。これらの仮親から5匹の仔ウサギを得たが、採取した組織片からゲノムDNAを抽出し、PCR法による遺伝子の確認を行ったが、ヒトアポリポ蛋白CIII遺伝子が導入された個体は得られなかった。 これまでにのべ2276個のアポリポ蛋白CIIIの発現コンストラクトを注入した胚を87匹の仮親に移植したが、受胎率は20.7%、移植胚に対する産子数の割合は1.1%程度であった。これは過去の新規遺伝子改変ウサギ作製時の胚移植における成績に比べて非常に低い値であった。その原因が、ウサギ及びその卵の繁殖・発育の特質や作業者の熟達度によるものであるのか、それとも用いたDNA液にあるのかは判断できなかった。そこで民間の遺伝子改変動物作製受注企業に、同様のマイクロインジェクション法によるヒトアポリポ蛋白CIII遺伝子導入ウサギの作製を依頼した。その結果においても、目的め遺伝子改変ウサギは得られなかった。これによりDNA液に原因がある可能性が考えられたが、その問題点、改良すべき点については未だ不明である。
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