2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790323
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
村上 智彦 University of Miyazaki, 医学部, 助教 (50510723)
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Keywords | 小胞体 / I型コラーゲン / 骨形成 |
Research Abstract |
OASIS欠損マウスは骨折を伴う重度の骨形成不全を示したことより、OASISが骨形成において重要な働きをすることが想定された。OASIS欠損により骨形成不全になるメカニズムを解明するために、野生型およびOASIS欠損マウスより採取した骨組織を用いて、発現量の異なる遺伝子をマイクロアレイ及びRT-PCR法により網羅的に探索した。その結果、OASIS欠損骨芽細胞において骨基質の主成分であるI型コラーゲンの転写レベルでの減少が認められた。このOASIS欠損骨芽細胞のコラーゲン転写の減少はOASIS欠損骨芽細胞にアデノウイルスを用いてOASISを過剰発現させることによって救済された。また、コラーゲンプロモーター(Colla1)領域を用いたリポーターアッセイにより、OASISはコラーゲンプロモーターを直接活性化させることがわかった。これらの結果より、OASISのターゲット遺伝子の一つはI型コラーゲンであることが判明した。更に、野生型およびOASIS欠損マウス骨組織の超微細構造変化の検討を行ったところ、OASIS欠損骨芽細胞の小胞体は異常に拡張しておいた。この小胞体の異常拡張は骨基質の貯留によるものと考えられた。そこで骨基質であるコラーゲンの免疫染色を行ったところ、OASIS欠損骨芽細胞の小胞体内にはコラーゲンが貯留していることがわかった。つまり、OASIS欠損マウスの骨芽細胞は骨基質分泌傷害を起こしていた。以上より、OASISは骨芽細胞のI型コラーゲンの転写および骨基質の分泌を介して骨形成に関与することが明らかになった。
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Research Products
(5 results)