2009 Fiscal Year Annual Research Report
SURVIVINを標的とした成人T細胞白血病の治療法の開発
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21790324
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
車 暁芳 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10437973)
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Keywords | survivin / XIAP / ATL / apoptosis |
Research Abstract |
成人T細胞白血病(Adult T cell Leukemia, ATL)は治療抵抗性が強いため予後がきわめて不良である。我々は、survivinの発現がATL、特に急性型ATLに高いことを観察し、ヒ素がATL細胞株のsurvivin発現レベルを低下させ、ATL細胞のアポトーシスを誘導することを見出した。 我々は、ATLにおけるsurvivinの高発現が抗がん剤耐性の一つの要因であると考え、survivinを標的とするATLの治療を目指している。Survivinはdimerを形成し、XIAPと結合することによってXIAPを安定させ、caspase9の活性化を阻害する。我々はsurvivinのdimer領域(89-103aa)とXIAPと結合する領域(15-38aa)のペプチドを設計し、N末端に膜透過キャリアー(TAT蛋白のProtein transduction domains, PTD)をつけたペプチドを作製した。ATL細胞株SITとMT2細胞に対するPTD-89-103aaとPTD-15-38aaペプチドの毒性をMTT Assayで調べ、ペプチドの濃度と時間に依存してS1TとMT2細胞の増殖が抑制されたことを見出した。両ペプチドで処理したATL細胞をAnnexin VとPIで染色し、FACSで解析した結果、アポトーシスが誘導されたことを確認した。PTD-15-38aaペプチドはPTD-89-103aaペプチドよりATL細胞に対する毒性は強かった。COS細胞にFlag-XIAPとMyc-survivinをco-transfectionし、PTD-15-38aaペプチドの濃度に依存して、XIAPとsurvivinの結合が抑制されたことを免疫沈降法で確認した。現在、PTD-15-38aaペプチドはXIAPの安定性に影響するか、caspase-9が活性化するかを調べ、ATL細胞のアポトーシス誘導のメカニズムを明らかにしようとしている。これらの研究によりsurvivinを標的分子とした治療法の開発を目指している。
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