2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790328
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白壁 恭子 Keio University, 医学部, 共同研究員 (00345315)
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Keywords | がん細胞 / 浸潤突起 / 膜蛋白質 / シェディング |
Research Abstract |
がん細胞が高い運動能を持つ上で重要であると考えられている"浸潤突起"の形成と退縮に関わる分子機構を、"シェディング"と呼ばれる膜蛋白質の選択的なプロセシングに注目して明らかにすることを目的として研究を進めている。当該年度は、シェディングと浸潤突起を同時に解析するのに適したがん培養細胞を特定する為に、浸潤突起の観察が可能ながん培養細胞が正常なシェディング能を有するか検討した。シェディング標的蛋白質を強制発現させ、そのシェディング標的蛋白質の細胞外領域がメタロプロテアーゼ活性依存的に培養上清に放出されるか検討した結果、上皮性のがん培養細胞であるHeLa細胞において効率的で選択的なシェディングが観察される事が明らかとなった。HeLa細胞は蛍光ゼラチン上で培養する事で、ゼラチンの分解とアクチンの凝集が一致する浸潤突起を観察できる事が知られているので、蛍光ゼラチンとアクチン染色試薬を準備して浸潤突起の観察を試みている。また蛍光顕微鏡下で浸潤突起のリアルタイム観察を行う為に、HeLa細胞の蛍光顕微鏡観察条件についても詳細な検討を行った。更に外来遺伝子を発現したHeLa細胞を用いて浸潤突起のリアルタイム観察を行うには、免疫染色なしで外来遺伝子を発現した細胞を特定できる事が必要不可欠である。そこで蛍光蛋白質と目的の外来遺伝子とを同時に発現する事ができるベクターの構築を行い、HeLa細胞において同ベクターが外来遺伝子を発現しうる事を確認した。
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Research Products
(1 results)