2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナルコレプシーの疾患感受性遺伝子の探索及び治療への応用
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21790336
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮川 卓 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (20512263)
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Keywords | ナルコレプシー / 真性過眠症候群 / CPT1B / CHKB / TCRA / HLA / ゲノムワイド関連解析 / SNP |
Research Abstract |
研究代表者はこれまでゲノムワイド関連解析を行い、CPT1B遺伝子とCHKB遺伝子の間に位置するSNP rs5770917、およびTCRA遺伝子上に位置するSNP rs1154155が日本人ナルコプレシー患者と関連することを報告してきた。また、ほぼ全ての日本人ナルコレプシー患者はHLA-DRB1*1501-DQB1*0602ハプロタイプを保有することが知られている。真性過眠症候群はナルコレプシーと同様に日中の耐え難い眠気を主な症状とする過眠症であるが、情動脱力発作を起こさない点がナルコレプシーとは異なる。今回、研究代表者は、rs5770917、rs1154155およびHLA-DRB1*1501-DQB1*0602ハプロタイプが真性過眠症候群と関連するか検討するために関連解析を行った。結果:真性過眠症候群はコントロールに比べ、rs5770917のリスクアリルの頻度が有意に高いことを確認した(P=4×10^<-3>;OR=1.56)。HLA-DRB1*1501-DQB1*0602ハプロタイプの陽性率に関しても、真性過眠症候群において有意に高かった(P=9×10^<-11>;OR=3.97)。rs1154155に関しては、真性過眠症候群全体では有意な関連は認められなかった。しかしながら、真性過眠症候群をHLA-DRB1*1501-DQB1*0602ハプロタイプの有無で層別し、解析を行った結果、HLA-DRB1*1501-DQB1*0602ハプロタイプを保有する群ではコントロールに比べ、リスクアリルの陽性率が有意に高いことを確認した(P=5×10^<-4>;OR=4.26)。このことから、HLAと関連のある真性過眠症候群は自己免疫疾患であることが考えられる。CPT1B、CHKB、TCRAおよびHLAは真性過眠症候群の疾患感受性遺伝子であることが示唆される。
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