2010 Fiscal Year Annual Research Report
SAGE法/CAST法で同定した胃癌関連遺伝子の腫瘍進展への影響と診断への応用
Project/Area Number |
21790353
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
仙谷 和弘 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30508164)
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Keywords | 胃癌 / connexin 30 / 腫瘍進展 / 大腸癌 / claudin-18 / CDX2 / 予後 |
Research Abstract |
本研究では、Serial Analysis of Gene Expression (SAGE)法やEscherichia coli ampicillin secretion trap (CAST)法を用いて同定した胃癌関連候補遺伝子の中で、特に腫瘍進展に関連する遺伝子に焦点を当てて解析を行った。平成22年度は、ギャップ結合構成蛋白の一つであるconnexin 30の胃癌における意義を明らかにすることを目的に169例の胃癌組織を用いて免疫組織化学的に検討したところ、胃癌でのconnexin 30の陽性率は28%で、腫瘍の深達度やリンパ節転移、ステージと有意に逆相関を示し、腫瘍進展とともに発現減少が見られた。また、組織学的にconnexin 30を発現する胃癌は分化型の症例が多く、腸型粘液形質を示した。以上の結果から、connexin 30は腸型粘液形質を示す分化型腺癌の新規分化マーカーであることが明らかとなった。次に、タイトジャンクション構成蛋白の一つであるclaudin-18の大腸癌における意義を明らかにすることを目的に569例の大腸癌組織を用いて免疫組織化学的に検討した。大腸癌でのclaudin-18の陽性率は4%で、その発現は有意に予後不良であったものの、臨床病理学的因子との有意な相関は得られなかった。Claudin-18を発現する大腸癌は胃型粘液形質を示し、腸への分化に関与する転写因子であるCDX2の発現低下が認められた。さらに形態学的に胃癌に類似した形態を示すものが多く見られた。以上の結果からclaudin-18は予後不良な大腸癌の新規診断マーカーであることが明らかとなった。
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Research Products
(14 results)