2009 Fiscal Year Annual Research Report
類上皮肉腫と悪性ラブドイド腫瘍の分子生物学的解析および鑑別診断
Project/Area Number |
21790356
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
孝橋 賢一 Kyushu University, 大学病院, その他 (10529879)
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Keywords | 悪性ラブドイド腫瘍 / 類上皮肉腫 / 滑膜肉腫 / SMARCB1 / INI1 / Glypican 3 |
Research Abstract |
SMARCB1/INI1(以下INI1)蛋白発現異常をきたす、類上皮肉腫(以下ES)、および悪性ラブドイド腫瘍(以下MRT)において、鑑別に有用な蛋白として、glypican 3(以下GPC3)を見出し、それについて解析を行った。GPC3蛋白発現に関しては、陽性例がES1/49例(2%)に対し、MRT6/14例(43%)で、有意差を認めた(p=0.0003)。また、mRNA発現についても、GPC3陽性例では高値左呈していた。このようにGPC3がESとMRTの鑑別診断上有用なマーカーとなる可能性が示唆された。また、極めて予後の悪いMRTについて、新規治療法としての、GPC3をターゲットとした分子標的治療の可能性が示唆された。 また、ES、MRTと同様、分化方向不明な肉腫に分類される滑膜肉腫(以下SYT)について、小数例でINI1蛋白発現異常を来たすことを発見したため、多数の症例を用いて、解析し、診断上の有用点についで考察した。SYTでは66/95例(70%)の症例でINI1蛋白発現が減弱することを確認した。また、同時に鑑別診断に挙げられるような紡錘形細胞肉腫(線維肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、平滑筋肉腫)についてもINI1発現を評価したがいずれも蛋白発現は正常であった。従って、INI1蛋白発現はSYTとその他の腫瘍、MRT、ES、紡錘形細胞肉腫との鑑別にも有用である可能性が示唆された。 また、それらINI1蛋白異常を来たすMRT、ES、SYTのmRNA発現には大きな差があり(MRT : 6.19、ES : 40.52、SYT : 134.01)、INI1蛋白発現をコントロールしている機構、もしくは機序が各々異なっている可能性が考えられた。
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Research Products
(6 results)