2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム不安性とメチル化異常から見た若年胃癌の特異的発癌経路と予後関連因子の解明
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21790363
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
一戸 昌明 北里大学, 医学部, 講師 (80365163)
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Keywords | 胃癌 / 若年 / 予後 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、若年胃癌と非若年胃癌におけるMSI (Microsatellite instability)・LOH(Loss of heterozygosity)を検索・比較する為に、Laser Captured microdissection法により、癌部・背景粘膜・リンパ節組織(コントロール)をそれぞれ分離採取して個々のDNAを抽出した。癌部・背景粘膜は上皮と間質成分をそれぞれ別々に分離採取した。現在、抽出したDNAを用いて、NCI推奨マーカー(D2S123,BAT25,D5S346,BAT26,D17S250)・17番染色体マーカーにおけるMSIおよびLOHをMultiplex PCR-Gene Scan法を用いて検索中である。 ミスマッチ修復蛋白であるhMLH1・hMSH2の発現を検討した所、現時点では非若年胃癌におけるhMLH1の発現の減少・消失頻度が若干高い傾向があった(25%,33%)。また低分化型癌は分化型癌に比してhMLH1の発現の減少・消失症例が有意に多かった。hMSH2の発現の減少・消失は低頻度であった(12%)。 背景粘膜では、若年胃癌・非若年胃癌共にHelicobacter Pylori感染が免疫組織化学染色にて高頻度で確認されたが(共に感染頻度は80%以上で有意差は見られなかった)、腫瘍型アミノ酸トランスポーターと考えられているL-type amino acid transporterl (LAT1)の発現は、若年胃癌では有意に低発現を示していることが分かった。予後を中心に今回抽出した若年進行胃癌の臨床病理学的特徴を検索した所、若年胃癌は非若年胃癌に比して有意に予後がよかった(log-rank test、P<0.05)。
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