2009 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨下骨組織の改築とRECK分子に着目したヒト変形性関節症の病態解析
Project/Area Number |
21790364
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木村 徳宏 Keio University, 医学部, 助教 (40445200)
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Keywords | 病理学 / 細胞・組織 / 関節 / 骨 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
ヒト変形性関節症(OA)関節軟骨下骨におけるRECK分子の発現を、関節組織切片の免疫染色により調べたところ、軟骨下骨の骨芽細胞に発現が見られた。骨芽細胞におけるRECK陽性率は、骨硬化の有無よりも骨芽細胞の形態と関連しており、平坦な形態を示す細胞よりも立方状に腫大したactiveな形態を示す細胞に陽性率が高い傾向が認められた。また、マウス骨組織におけるRECK免疫染色を行い、マウス正常骨においても骨芽細胞にRECK発現が見られることを確認した。次に、マウス骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1におけるRECK発現をRT-PCR法およびイムノブロット法を用いて調べた。この細胞株はアスコルビン酸、β-グリセロリン酸、デキサメサゾンを加えた培地(分化培地)で培養すると骨芽細胞へと分化し、アルカリホスファターゼ活性を示し、コラーゲンやオステオカルシンを産生する。この分化過程においてRECKは初期に発現が上昇し、その後はほぼ一定の発現量を維持することがわかった。骨に存在する数種のサイトカイン・増殖因子(IL-1,TNF-α,TGF-β,IGF-I等)を作用させ、MC3T3-E1細胞のRECK発現が増減するかRT-PCR法で調べたが、発現量の変動は小さかった。一方、ヒトOA関節軟骨下骨からの骨芽細胞の単離方法はある程度確立し、単離・培養した細胞におけるRECK分子の発現を確認した。現在この細胞を用いて分化過程やサイトカインによるRECK発現調節について検討している。
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