2009 Fiscal Year Annual Research Report
発がん過程においてDNAメチル化プロファイル異常が惹起される分子機構の解明
Project/Area Number |
21790371
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
新井 恵吏 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, 研究所病理部, 研究員 (40446547)
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Keywords | 分子病理 / 腫瘍 / DNAメチル化 / DNMT1 / 発がんリスク評価 |
Research Abstract |
本研究は,ヒトDNAメチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)と結合して発がん過程におけるDNAメチル化プロファイル異常形成に寄与する分子の同定を目的としている.まず,ウエスタンブロット法などを用いてヒト培養がん細胞におけるDNMT1発現を解析し,DNMT1を高発現する細胞として,ヒト肝細胞がん由来細胞(HepG2, KYN2, Alexanderなど)を複数選択した.これらの細胞の核抽出液を用いて抗DNMT1抗体による免疫沈降法を施行し,SDS-PAGEを行ったところ,DNMT1のバンドと共に,DNMT1とは異なる分子量のバンドが確認された.そこで,抗DNMT1抗体による免疫沈降物を2 Dimensional Image Converted Analysis of LCMS (2D-ICAL法)で解析し,DNMT1と共同沈降する分子の候補として,DNMT1との結合が未だ報告されていない分子を複数同定した.現在,これらの分子に対する抗体による免疫沈降法等により,DNMT1との結合を確認している.これらの分子とDNMT1との結合が確認されたら,これらの分子を発現していない培養細胞に強制発現させ,あるいはこれらの分子を高発現している培養細胞においてsiRNAなどを用いて発現抑制し,その前後でDNAメチル化プロファイルが変化することを確かめる.
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