2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンメチル化酵素DOT1Lの精子形成における役割の解明
Project/Area Number |
21790375
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧野 吉倫 Kyoto University, 医学研究科, 研究員 (60431334)
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Keywords | エピジェネティクス / 精子形成 / ヒストンメチル化酵素 |
Research Abstract |
平成21年度にはマウスDot1l精巣特異的ノックアウトマウスを凍結卵の状態で米国より輸入し、再樹立した。 また樹立したノックアウトマウスの精巣から精子幹細胞を抽出し、精子幹細胞培養を行った。 再樹立したDot1lノックアウトマウスの組織学的解析および精子幹細胞培養系の実験から、Dot1lは精子形成過程において必須であること及び、精子幹細胞に発現していることが確かめられた。 また精子形成過程におけるマウスDot1lの発現パターン及びマウスDot1lの上流因子を解析するためにDot1lのプロモーター領域と考えられる5'UTR領域の5キロ塩基対をクローニングした。さらにルシフェラーゼアッセイによってプロモーター活性を測定したところ、転写開始点より500塩基対上流までで十分にプロモーター活性を有することを確認した。現在この500塩基対に結合する転写因子をバイオインフォマティクスおよび分子生物学的手法を用いて同定することを試みている。 またDot1lは精子幹細胞において機能していることが強く示唆されるが、既存の抗体ではタンパク質発現が確認されない。そのため申請者は現在、マウスDot1lのcDNAをクローニングし、293T細胞などでの過剰発現系を用いて抗体の反応性について確認するとともに、新規に抗マウスDot1l抗体の作成を検討中である。 平成21年度にはマウスDot1lが精子形成に必須であることを示すことが出来た。来年度はその具体的な機構に付いて明らかにしていきたい。
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Research Products
(1 results)