2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本人家族性胃がんの発症に関与する遺伝的要因の同定
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21790383
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山田 英孝 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (30397400)
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Keywords | 家族性胃がん / E-カドヘリン / 生殖細胞系列変異 / コピー数異常 |
Research Abstract |
本研究の目的は、家族性胃がんという胃がんを発症しやすい家系における遺伝子異常を同定することにより、日本人の胃がん発症の遺伝的要因を明らかにすることである。昨年度は、日本で初めて正常なタンパク質よりも短いE-カドヘリンタンパク質を産生することが予想されるE-カドヘリン遺伝子の生殖細胞系列変異(p.Asn405Ilefs^*12、p.Asn405ILefs^*12)を日本人の家族性胃がん家系で見つけた。本年度は、この2種類の変異によるE-カドヘリンタンパク質の機能への影響について調べた。2種類の変異型と野生型のE-カドヘリン発現プラスミドを作製し、各発現プラスミドをE-カドヘリンタンパク質を発現していないCHO-K1細胞株にトランスフェクションし、安定発現細胞株を樹立した。それぞれの安定発現細胞株におけるE-カドヘリンタンパク質の発現を免疫蛍光法によって調べたところ、野生型のE-カドヘリンタンパク質は細胞膜に局在していたが、2種類の変異型は細胞膜に局在していなかった。次に、2種類の変異型における細胞間接着への影響を調べる為にslow aggregation assayを行ったところ、野生型のE-カドヘリンタンパク質は細胞接着能を有していたが、2種類の変異型タンパク質は野生型と比較して明らかに細胞接着能が損なわれていた。以上のことから、本研究で見つけたE-カドヘリン遺伝子の生殖細胞系列変異は家族性胃がん患者における発がんに寄与することが示された。
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