2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアDNA突然変異解析を用いたBarrett腺癌の組織発生の解明
Project/Area Number |
21790385
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
向所 賢一 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (50343223)
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Keywords | Barrett食道 / ミトコンドリアDNA突然変異 / Cytochrome c oxidase |
Research Abstract |
本研究の目的は、ミトコンドリアDNA突然変異解析を用いて、Barrett食道から食道腺癌の発生過程を明らかにすることである。今年度は、ラット十二指腸液逆流モデル(以下逆流モデル)に発生した各種病変(Barrett食道、食道腺癌、扁平上皮の異形成、扁平上皮癌など)におけるミトコンドリアDNA突然変異の有無をCytochrome c oxidaseの免疫染色と酵素組織化学染色により検討した。逆流モデルは、胃-食道接合部を切離し、食道-上部空腸を端側吻合したものを用いた。これまで、我々は、高脂肪食の摂取による胆汁中の胆汁酸分画の変化が、食道腺癌の発生に関係することを報告してきた(Chen KH, et al、Cancer Science, 2007)。よって、逆流モデルを高脂肪食(Quick fat, containing 13.9% cow fat, CLEA)摂取群と、普通食群(4.80% soybean oil)の2群にわけ、手術後10、20、30週にて屠殺後に食道を摘出、各種食道病変に対してCytochrome c oxidase活性の有無を検討した。ミトコンドリアDNA突然変異の際に認められるCytochrome c oxidase陰性細胞は、時間の経過とともに増加した。また、Cytochrome c oxidase陰性細胞数は、高脂肪食群の方が、普通食群よりも多い傾向が見られた。また、Cytochrome c oxidase陰性細胞は、Barrett食道の増殖帯に一致して出現し始めることが示唆され、腸杯細胞を有するBarrett食道は、大腸粘膜と同様にcrypt fissionによって増殖、伸展することが示唆された。しかし、ミトコンドリアDNA突然変異と発癌との因果関係については明らかにできなかった。
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Research Products
(4 results)