2009 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージを介した腫瘍内微小環境形成の分子基盤解明と癌治療への応用
Project/Area Number |
21790388
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
菰原 義弘 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 助教 (40449921)
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Keywords | 腫瘍関連マクロファージ / TAM / CD204 / スカベンジャー受容体 / がん |
Research Abstract |
我々はガンの微小環境形成の主役である腫瘍関連マクロファージにスカベンジャー受容体であるCD204 (Class A scavenger receptor)が高発現しており、更に腫瘍内微小環境形成と腫瘍の発育に深く関わっていることを見出した(Komohara Y et al.J Pathol 2008, Kawamura K, Komohara Y et al. Pathol Int 2009)。CD204はマクロファージに特異的に発現する主要な受容体の一つであり、粥状動脈硬化におけるマクロラァージによる修飾LDLの取り込みを始めとして様々な異物の取り込みや細胞接着に深く関与している。しかしながら、腫瘍内浸潤マクロファージに発現されるCD204の役割については殆ど解析されていない。本研究では、腫瘍内微小環境におけるマクロラァージの活性化にCD204がどのようなメカニズムで関わっているのかを解析した。 CD204欠損マウスでは、マウスリンパ腫細胞であるEL4の発育が有意に抑制されていた。腫瘍内に浸潤したCD68陽性マクロファージを解析したところ、iNOSの発現が野生型マウスよりも有意に高かった。また、IFN-betaやIFN-gammaの強い産生も認めた。これらのサイトカインはM1に強く発現することから、CD204欠損マウスにおける腫瘍関連マクロファージはM1の性質を有していることが示唆された(Komohara Y et al. Cancer Sci 2009)。現在、腫瘍関連マクロファージにおけるM1/M2分化とCD204の関連性について詳細な解析を行っている。
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