2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脳腫瘍を病理組織学的に反映したマウスモデルの開発と応用
Project/Area Number |
21790398
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
百田 洋之 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60469971)
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Keywords | 癌 / 応用動物 / 病理学 / 脳神経疾患 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
【研究計画】 平成22年4月以降の当初の研究計画は、1)マウス脳腫瘍モデルの解析と最適化、2)新たなモデルの開発、3)マウスモデルの前臨床試験への応用であったが、平成21年度の研究が予定より9ヶ月遅延したため、の平成23年1月からの開始となった。 【研究成果】 PDGFBによる悪性神経膠腫(glioma)のマウスモデルは出生直後のマウスと4週齢のマウスで大脳における作成に成功し、現在、小脳腫瘍の作成と、癌遺伝子を導入するための注入方法を検討中である。新たなマウスモデルとして、Shhやc-Mycなどの癌遺伝子を用いた髄芽腫のマウスモデルを作成中であるが、レトロウイルスの作成が完了した段階であり、脳腫瘍形成には至っていない。マウス脳腫瘍モデルを用いた前臨床試験は、temozolmide、perifosinなどの新薬を含めた抗がん剤を用いて計画中であるが、薬剤の入手をした段階であり、新規脳腫瘍モデルが完成してから試験を開始する予定である。 【意義と重要性】 国内初のRCAS/tv-aシステムによる遺伝学的・組織学的に正確なマウス脳腫瘍モデルであり、ヒト悪性脳腫瘍で最も多い悪性神経膠腫のモデルを日本で立ち上げた意義は大きい。今後、このモデルを使用し、悪性神経膠腫に対する新薬の前臨床試験を進めることが可能となり、また、新たなマウス脳腫瘍モデルの作成により、稀少な脳腫瘍に対する治療法の開発にも貢献できることが期待される。
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