2009 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫感染中に誘導される制御性CD4+T細胞が産生する抑制因子の同定
Project/Area Number |
21790408
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木村 大輔 Nagasaki University, 医歯薬学綜合研究科, 助教 (50423637)
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Keywords | マラリア / CD4^+T細胞 / サイトカイン / 免疫 |
Research Abstract |
本研究目的であるマラリア原虫感染によって誘導されるIL-2産生抑制因子を同定するために、研究実施計画に基づき以下の事柄について検討した。 1) カラムクロマトグラフィを用いてIL-2抑制因子を効率よく分離するために、サンプルの調整を行った。マラリア原虫感染マウスのCP4^+T細胞のうちどのような細胞集団が抑制因子を産生しているのかを調べたところ、CD62L-CD44^+のエフェクターメモリー細胞が抑制因子を産生することが新たに明らかとなった。そこでCD62L-CD44^+CD4^+T細胞に精製し、in vitroで刺激することで高効率に抑制因子を回収することが可能となった。さらに限外濾過膜を用いた濃縮を検討したところ、分子量5k以下を除き且つ高濃度に濃縮することができた。 2) 上記のサンプルを用いてカラムによる分離を行った。その結果アニオンカラムを用いた場合に濃縮能を含む分画が得られた。現在この分画を用いてさらに分離を進めているところである。 3) 最近論文等でも報告数が増えてきた解析方法にshotgun proteomicsがある。この方法は、2群間比較により目的タンパク質を網羅的に解析するものである。この方法を用いれば抑制因子を単離できなくとも或る程度分離できた2)の分画から求めることができると考え、現在この方法も併せて検討中である。 また、我々はマラリア原虫特異的なサイトカイン産生がIL-2依存的であることを明らかにし、現在論文を投稿中である。これは、マラリア原虫感染によって引き起こされるIL-2産生抑制メカニズムを明らかにしようとする本研究意義に更なる重要性をもたらすものである。
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Research Products
(2 results)