2010 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫感染中に誘導される制御性CD4+T細胞が産生する抑制因子の同定
Project/Area Number |
21790408
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木村 大輔 長崎大学, 医歯薬学綜合研究科, 助教 (50423637)
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Keywords | マラリア / CD4^+T細胞 / サイトカイン / 免疫 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、Plasmodium berghei(ANKA)用いたマウスモデルにおいて、マラリア原虫感染によりCD25^-の抑制性CD4^+T細胞が誘導され、この細胞が産生する液性因子によりCD4^+T細胞のIL-2産生が抑制されることを明らかにしている。研究実施計画に基づいてIL-2産生抑制因子を同定するために以下の事柄について検討した。 1)カラムクロマトグラフィを用いた初期精製で抑制因子を含む分画を得たと21年度の実績報告書において記載した。しかしながらこの分画には可溶性IL-2受容体も含まれていることが新たに明らかとなった。さらに感染によって可溶性IL-2受容体の産生量も亢進することが明らかとなった。これらのことから、CD4^+T細胞が産生したIL-2は、可溶性IL-2受容体と結合することで中和されている可能性が新たに考えられた。そこでIL-2受容体に対するカラムを作成し、抑制因子を含む分画から可溶性IL-2受容体を除去して抑制能が失われるかを検討した。その結果、可溶性IL-2受容体除去しても除去前と同様の抑制能が得られた。 2)初期精製で得られた分画には培地に含まれる牛血清成分が多く含まれており、抑制因子を同定するためには更なる精製が必要である。また抑制因子とアルブミン等は等電点が近くイオン交換カラムではこれ以上の分離が不可能であることが明らかとなった。そこで硫安塩析法による分画を検討したところ、30-40%飽和度において抑制因子を含む分画を得たうえに高濃度に濃縮することができた。現在この分画についてゲルろ過を用いて最終精製を試みている。 3)我々はCD4^+T細胞のマラリア原虫抗原特異的なサイトカイン産生がIL-2依存的であることを明らかにし報告した(Int.Immunol.)。これは、マラリア原虫感染によって引き起こされるIL-2産生抑制メカニズムを明らかにしようとする本研究計画の意義について異なる角度から証明し、更なる重要性をもたらすものである。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Characterization of waves of leukocyte recruitment to the lung allograft and the effect of CTLA4-Ig.2011
Author(s)
T.Taguchi, Y, Inamura, K.Honma, D.Kimura, M.Miyakoda, T.Miyazaki, T.Tsuchiya, N.Yamasaki, T.Tagawa, T.Nagayasu, K.Yui
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Journal Title
Acta medica Nagasakiensia
Volume: (in press)(掲載確定)
Peer Reviewed
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