2010 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア感染における記憶CD8+T細胞の分化及びその維持機構の解析
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21790409
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
都田 真奈 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30398151)
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Keywords | マラリア / CD8+T細胞 / 免疫 |
Research Abstract |
[研究目的] マラリア感染では免疫記憶が持続しないことが知られている。本研究ではそのメカニズムを明らかにすることで、効果的ワクチン開発の一端を担いたいと考えている。 [具体的な内容] 1.マラリア感染後記憶T細胞が分化するか調べる。 平成21年度に、OT-I細胞をB6マウスに移入しOVA-マラリアを感染させその後治療するとOVA特異的CD8+T細胞(OT-I細胞)が活性化し2ヶ月経った時点で残存することを示した。本年度はその残存したOT-I細胞がIFNγ、TNFαなどサイトカインを産生能を有し、さらに抗原特異的傷害活性をも有する事を、腫瘍拒絶試験を行う事により明らかにした。この結果よりマラリア感染後機能的な記憶CD8+T細胞が分化する事が明らかとなった。 2.記憶CD8+T細胞はマラリア感染に対して反応するか調べる。 記憶OT-I細胞とナイーブ細胞をB6マウスに移入しOVA-マラリアあるいはOVAリステリアを感染させ経時的にOT-I細胞の数を調べた。その結果、マラリア感染ではナイーブ細胞に比べて記憶細胞の増加が抑制されていた。FTY720をマウスに投与しリンパ球の移動を阻害した状態でもマラリア感染では記憶OT-I細胞の増加抑制は回復しなかったことから、マラリア感染では記憶細胞簿増大が抑制される事が分かった。 [意義及び重要性]マラリア感染で免疫記憶が成立しない要因の一つとして記憶細胞が増加しにくい事が明らかとなった。今後、増加抑制を解除する方策を見いだすことができれば、それによりマラリアワクチン効果を持続させることができると期待される。
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