2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790410
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
新倉 保 杏林大学, 医学部, 助教 (30407019)
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Keywords | Pb ANKA / PbXAT / 複合感染 / 脳症抑制効果 / 自然免疫 / TLR / 病原体認識 |
Research Abstract |
強毒株Plasmodium berghei(Pb)ANKAが引き起こす脳症は、弱毒株PbXATを複合感染させることで抑制できる。これまでの研究成果から、弱毒株PbXAT複合感染による脳症抑制効果には、弱毒株PbXATに特異的に応答する自然免疫が関与していると推察される。 Toll-like receptor(TLR)は樹状細胞やマクロファージなどの貧食細胞の病原体認識受容体の一つで、自然免疫応答に重要な役割を果たしている。本研究では弱毒株PbXATの複合感染による脳症抑制効果とTLRの関係を明らかにするために、TLR2/4/9KOマウスおよびTLR7/9KOマウスを用いて弱毒株PbXATの複合感染による脳症抑制効果を解析した。 本研究では、まず、強毒株Pb ANKAおよび弱毒株PbXATの単独感染におけるTLRの役割について解析を行った。その結果、強毒株Pb ANKAが引き起こす脳症は、TLR非依存的であった。一方、弱毒株PbXATをTLR2/4/9KOマウスおよびTLIR7/9KOマウスに感染させると、野生型マウスと比較して原虫血症は増悪した。この結果から、弱毒株PbXATはTLRに認識されることが見出され、さらに弱毒株PbXATに対する防御免疫の誘導にTLRが重要な役割を果たすことが明らかとなった。 次に、弱毒株PbXAT複合感染による脳症抑制効果にはTLRを介する免疫応答が関与していると推測し、TLR2/4/9KOマウスおよびTLR7/9KOマウスに強毒株PbANKAと弱毒株PbXATを複合感染させた。しかし、複合感染させたTLR2/4/9KOマウスおよびTLR7/9KOマウスは、野生型マウスと同様に脳症抑制効果が認められたことから、弱毒株PbXAT複合感染による脳症抑制効果にTLRは関与しないことが推察された。
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