2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790411
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
中野 由美子 National Institute of Infectious Diseases, 寄生動物部, 主任研究官 (30321764)
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Keywords | small GTPase / メンブレントラフィック / Rab5 / アピコンプレキサ / Plasmodium falciparum / 感染症 |
Research Abstract |
赤内期のマラリア原虫は寄生胞膜を介して赤血球細胞質中のヘモグロビンを取り込むことで、栄養源を摂取する。マラリア原虫のエンドサイトーシスには低分子量GTPaseのPfRab5aが関与することが報告されていた。本研究で、PfRab5には3つのアイソタイプが存在し、その中のPfRab5bと名付けたアイソタイプは膜への結合がN末端のミリストイル化に依存することが分かった。熱帯熱マラリアだけでなく、ミリストイル化されるRab5bを持つ原虫は、全てのマラリア原虫種に保存すると共に、他のアピコンプレキサ(Toxoplasma gondii, Babesia bovis)にも保存されていた。一方で、細胞内のRabのレパートリーがさらに単純化したアピコンプレキサ(Theileria annulata, Cryptosporidium parvum)またはアルベオラータ生物群に分類される繊毛虫(Tetrahymena thermophila, Paramecium tetraurelia)にはRab5の多様化ならびにN末端のミリストイル化は存在しなかった。熱帯熱マラリア原虫におけるRab5bの機能を解析するために、FCR3株のトロフォゾイト/スカイゾント期よりcDNAを合成し、クローニングを試みた。最も発現の高いPfRab5アイソタイプは5aであり、次にPfRab5cの発現が高かった。PfRab5bは最も発現量が少ないもののトロフォゾイト/スカイゾント期に発現していることが確認された。次に、抗体作製と生化学実験のために大腸菌内でリコンビナント蛋白質の発現を試みた。GSTやHis融合蛋白質等、複数の発現条件を検討した結果、pCold1ベクターによる低温条件でのタンパクの発現誘導、かつ大腸菌内でのシャペロンとの共発現(groES, groEL)によって、可溶性画分に組換え蛋白質を発現させることに成功した。
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