2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞侵入性細菌感染によるオートファジー認識・回避機構の解析
Project/Area Number |
21790413
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 道永 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80361624)
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Keywords | オートファジー / 赤痢菌 / リステリア属菌 |
Research Abstract |
本研究では細胞内運動性細菌である赤痢菌(Shigella flexneri)およびリステリア菌(Listeira monocytogenes)に対するオートファジー認識・回避機構を詳細に解析することを目的とした。その結果、次のことを明らかにした。 (1)赤痢菌感染により誘導されるオートファジーにおけるAfpの機能解析 赤痢菌感染により誘導されるオートファジーにおけるAtg5と相互作用する新規のタンパク質Afpの機能を解析した結果、赤痢菌感染細胞においてAfpはユビキチン(Ub)非依存的に菌体周囲へリクルートされ、Atg5やLC3とphagophore上で共局在することを明らかにした。さらに、Afpはサルモネラ菌やA群連鎖球菌を標的とするオートファゴソームにも局在することを明らかにした。Afpノックダウン細胞では赤痢菌を標的としたオートファジーが低下し、それに伴いAfpノックダウン細胞では赤痢菌の細胞内増殖が大幅に低下することを見出した。このことは、Afpが赤痢菌のみならずサルモネラ菌など他の病原菌に対するオートファジーにおいても重要な働きを有していることを示している。 (2)リステリア菌によるオートファジーの阻害機構の解析 リステリア菌の菌体表面に存在し、菌の細胞内運動性に必須のタンパク質であるActAの新たな機能として、リステリア菌のオートファジー認識の回避に重要な役割を果たしていることを明らかにした。具体的には、(i)リステリア菌の外膜タンパク質であるActAが宿主タンパク質であるArp2/3複合体とVASPを菌体周囲へ集積させることでオートファジー認識機構から回避していること、(ii)ΔActA株は宿主の細胞質内において菌体がUb化され、Ub-p62-LC3経路によりオートファジー認識されることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)