2010 Fiscal Year Annual Research Report
ボルデテラ属細菌の産生する壊死毒の受容体分子の同定
Project/Area Number |
21790417
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福井 理 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (70397743)
|
Keywords | ボルデテラ属細菌 / 細菌毒素 / 受容体 |
Research Abstract |
本年度は、ボルデテラ属細菌の産生する壊死毒Dermonecrotic toxin(DNT)の受容体の同定を目的として、架橋剤で標識した毒素の受容体結合領域、N末端30アミノ酸を用いた受容体のアフィニティー精製を昨年度に引き続き試みた。昨年度の結果からいくつかの問題点が浮上したため、以下の点を改善した。 1、架橋される分子のうち、受容体結合領域に特異的に結合する分子をより明確に判定するため、ネガティヴコントロールとして感受性細胞への結合が認められないN末端25アミノ酸をペプチド合成し、リガンドに追加した。 2、アフィニティー精製には、ストレプトアビジンビーズと架橋剤に付加されたビオチンとの相互作用を利用していたが、両者の結合が強力で目的分子を溶出することができず、ワンステップの精製しかできないため、特異的に結合した分子をMS解析で同定できる状態まで精製することができなかった。そこで、Hisタグ付きのペプチドを新たに合成し、タグを利用した、溶出が可能なアフィニティー精製過程を追加することで、より特異性の高い結合分子の精製・濃縮を試みた。 改善の結果、N末端30アミノ酸と特異的に架橋されるいくつかの分子が再現よく検出された。これらをMS解析により同定したところ、細胞質内に存在すると報告されているタンパク質であったため、目的の受容体ではないと考えられた。また、タンパク質量の問題でMS解析できていない分子もあり、これらに関しては精製材料をスケールアップするなどの検討が必要であると考えられた。
|
Research Products
(3 results)