2010 Fiscal Year Annual Research Report
腸炎ビブリオ耐熱性溶血毒の細胞傷害機構の解析と脂質ラフトプローブとしての応用
Project/Area Number |
21790420
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 重輝 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (30506499)
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Keywords | 腸炎ビブリオ / 耐熱性溶血毒 / 細胞傷害性 / 脂質ラフト |
Research Abstract |
食中毒菌である腸炎ビブリオの産生する耐熱性溶血毒(TDH)の細胞傷害性については不明な点が多い。これまでの解析により、TDHの細胞傷害性に脂質ラフト(ラフト)が重要であり、TDHはラフトとassociateするという成績が得られている。本研究では、TDHの細胞傷害性発現におけるラフトの役割を明らかにするとともに、TDHを用いたラフトに対するプローブの作出を目的とした。昨年度までに、TDHの認識するラフトは糖脂質プローブであるコレラ毒素Bサブユニットの認識するラフトドメインと異なること、TDHのラフトへのassociationにスフィンゴミエリンが重要であることが示唆されている。本年度はまず、TDHのassociateするラフトとスフィンゴミエリンの関係について検討した。TDH無毒変異体はTDHの細胞毒性を競合阻害するものの、ライセニンの細胞傷害性は阻害できないことが示された。TDHはスフィンゴミエリン分子と直接相互作用しないことからも、TDHはライセニンの認識するスフィンゴミエリンドメインと異なるラフトとassociateしていることが示唆された。また、昨年度に作製した、細胞傷害性が完全に残存したTDHの直接蛍光標識体がラフトにassociateすることを生化学的に確認し、ラフトへのassociation能に変化がないことが示された。生細胞に用いるプローブとしては、TDHの細胞傷害性が障害となるため、TDH無毒変異体について、TDHと同様に直接蛍光標識を試みた。しかしながら、現在までのところプローブとして利用可能なTDH無毒変異体の蛍光標識体の作製には成功しておらず、今後の課題となった。
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Research Products
(6 results)