2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウエルシュ菌α毒素によるIL-8分泌メカニズムの解明
Project/Area Number |
21790431
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
小田 真隆 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (00412403)
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Keywords | ウエルシュ菌 / α毒素 / A549細胞 / ガングリオシド(GM1) / TrkA |
Research Abstract |
【目的】ウエルシュ菌によるガス壊疽の原因毒素であるα毒素は、血液内に移行すると溶血やサイトカインストーム、そして、肝臓や肺への著しい好中球の集積を引き起こす。所属する研究室は、好中球の浸潤に密接に関与するIL-8に注目し、α毒素処理細胞からのIL-8遊離メカニズムについて解析を行ってきた。21年度の解析によりα毒素がGM1へ結合することが判明したため、毒素のGM1結合部位の探索を行った。 【方法・結果】ボツリヌス神経毒素は、ガングリオシド結合領域(H…SXWY…G)を有することが報告されている。ウエルシュ菌α毒素も、ガングリオシドGM1と結合することから、その結合ドメインの有無を検索すると、α毒素分子のNドメイン(触媒ドメイン)とCドメイン(結合ドメイン)を結ぶループ領域にこのドメインの存在が判明した。そこで、この領域のアミノ酸残基を置換した変異毒素について結合を検討した結果、W84AとY85Aは、IL-8遊離の有意な低下を示した。次に、表面プラズモン共鳴法を用いて種々の変異毒素のGM1リポソームへの結合親和性を検討すると、IL-8遊離の場合と同様、W84AとY85Aは、GM1リポソームへの結合親和能が低下した。従って、毒素のGM1への結合に84位のTrpと85位のTyrの重要性が明らかとなった。 【考察】α毒素の84位Trp残基と85位Tyr残基は、GM1を認識し結合後、一連のMAPKシグナルを活性化することによりIL-8遊離を惹起すると推察される。
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[Journal Article] Synthesis and evaluation of novel phosphate ester analogs as neutral sphingomyelinase inhibitors2010
Author(s)
Imagawa H, Oda M, Takemoto T, Yamauchi R, Yoshikawa T, Yamamoto H, Nishizawa M, Takahashi H, Hashimoto M, Yabiku K, Nagahama M, Sakurai J
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Journal Title
Bioorg Med Chem Lett
Volume: 20
Pages: 3868-3871
Peer Reviewed
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