2011 Fiscal Year Annual Research Report
STM法を用いた髄膜炎菌の新規病原因子の網羅的探索
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21790435
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
高橋 英之 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (60321866)
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Keywords | 髄膜炎菌 / Neisseria meningitidis / 病原因子 / Signature Tag Mutagenesis / トランスポゾン変異 / 変異株 |
Research Abstract |
STMにより第二次候補変異株をマススクリーニングにより選択した後にその候補株の個別の感染能を定性的に実施することにより第二次候補変異株をさらに絞り込み、第三次候補変異株約150株を得た。それらの候補株すべてにおいて染色体DNAを精製後、制限酵素ClaIで切断してその断片と結合する合成DNAアダプタとin vitroでligationした後、そのligated DNAを鋳型としてDNAアダプタ及びspc^r遺伝子の内側を認識するプライマーを用いてPCRし、その後シークエンスするvectrette PCR法により挿入変異株のトランスポゾン挿入破壊遺伝子を同定した。それらの破壊遺伝子の種類を大別後、さらに詳細に二段階の感染実験を繰り返し、最終的に31個の宿主細胞への接着もしくは侵入が低下した第5次候補変異株を同定することが出来た。それらの変異株の中には線毛やLOSの合成や修飾に関与する遺伝子、また栄養源の合成に関わる遺伝子の他、機能が全く未知の遺伝子が破壊された候補株も9株含まれ、それらが髄膜炎菌の新規病原性因子である可能性が示唆された。特にNMB1964及びNMB1965とゲノムシークエンスから命名された遺伝子が破壊された株が4株得られており、それらの挿入変異株は細胞接着能は低下していないが細胞侵入能は野生株の約1%までに低下しており、この二つの遺伝子群が髄膜炎菌の細胞侵入に深く関与する可能性を見出すことが出来た。これらの結果から髄膜炎菌の感染(殊に細胞侵入)機構をさらに解明する糸口が見出せ、髄膜炎菌の感染様式にを明確にすることにってワクチン候補や髄膜炎菌性感染症の治療薬の作用点を明らかにすることが期待される。
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Research Products
(3 results)