2009 Fiscal Year Annual Research Report
水痘帯状疱疹ウイルスpOka株ORF0とvOka株ORF0の機能比較
Project/Area Number |
21790456
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Research Institution | National Institute of Biomedical Innovation |
Principal Investigator |
腰塚 哲朗 National Institute of Biomedical Innovation, 基盤的研究部, 研究員 (20416267)
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Keywords | ウイルス感染症 / ヘルペスウイルス / ワクチン / 質量分析法 / ORF0 |
Research Abstract |
水痘帯状庖疹ウイルスはヒトに病気を引き起こすヘルペスウイルスの中で、唯一、効果的な生ワクチンが開発されている。ワクチン株(vOka株)は野生株(pOka株)と比較し弱毒化しているが、その分子生物学的裏付けはなされていない。本研究では、pOka株vOka株間で分子量に大きな違いのあるORF0について、弱毒化の原因の一つではないかと考え、以下の解析を行った。 ORF0欠損株の作出と増殖能の検討 1. ORF0の感染細胞内における機能を明らかにするために、VZV-BACを用いORF0の欠損株を作出した。pOka株ORF0の一部のみを欠損させた組換えウイルス(rpOka-ORF0△TMD)を作出した。rpOka-ORF0△TMD感染細胞中において、ORF0の発現は確認できなかったが、rpOka-ORF0△TMDの培養細胞中における増殖能は野生株と同程度であった。 2. 水痘生ワクチンの本体であるvOka株は、その親株であるpOka株と比較して増殖能が減弱している。pOka株とvOka株間で大きな違いのあるORF0について、弱毒化の原因であるか否かについて検討を行った。 ・ vOka型ORF0を保持するpOka株:rpOka-vORF0 ・ pOka型ORF0を保持するvOka株:rvOka-pORF0 これらの変異株を用いて、それぞれの親株と培養細胞における増殖能を比較したところ、両者とも大きな変化は確認できなかった。 これらの結果をまとめ、現在論文投稿中である。
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