2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫病の病態形成における脂質認識免疫分子の解析
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21790463
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長井 良憲 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (30431761)
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Keywords | 免疫学 / 脂質 / 自己免疫病 / 自然免疫 |
Research Abstract |
本研究は、自己免疫病の病態形成におけるMD-1や可溶型MD-1,RP105の機能を明らかにすることを目的としている。 1)可溶型MD-1、MD-2の産生機構の解析 野生型マウス由来脾臓Bリンパ球や骨髄由来マクロファージ、骨髄由来樹状細胞を用いた解析から、マクロファージが正常状態において可溶型MD-1を最も産生する細胞として考えられた。 2)自己免疫炎症の病態形成におけるMD-1、MD-2の機能解析 MRL/1prマウスの加齢と共に、腎臓におけるMD-1のmRNA及び蛋白レベルでの発現増強が認められた。MD-2の発現については、そのような変化は認められなかった。そこでMRL/1prマウスの腎臓を免疫組織染色法で検討したところ、マウスの加齢に伴い、腎臓の血管周囲にMD-1陽性のマクロファージの浸潤を認めた。以上から、MRL/1prマウスの疾患活動性と一致して増加する血清可溶型MD-1の産生細胞の一つは、腎臓の浸潤マクロファージであることが示唆された。 3)MD-1の内在性リガンドの探索 RP105/MD-1の内因性リガンド探索を目的とし、血清等を用いたメタボローム解析を継続中である。複数の物質がRP105/MD-1に結合しうるデータを得ているが、さらなる解析が必要である。今後、自己免疫炎症と関わりがある物質が候補となることを期待している。 上記1),2)の成果をまとめ、Molecular Immunology誌に発表した(Sasaki,S.,et al., 2012)。
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